【愛媛県】こにしクリニック 医師インタビュー vol.16

 

· 医師インタビュー

 

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患者さんの希望を聞きながら、一人ひとりにベストな治療を提供

―産婦人科医を志したきっかけは?

 父が産婦人科の開業医で、自宅とクリニックが同じところにあっため、幼少期から赤ちゃんの泣き声を聞きながら育ちました。退院していくときの幸せそうな姿を見て、いつか自分も父と同じ職業に就きたいと考えるようになりました。

 

―生殖医療を専門とされた理由を教えてください。

 ちょうど私が医師になったころ、体外受精や顕微授精が成功しだし、脚光を浴びていました。当時は大学病院で生殖医療やホルモン治療に関わっていましたが、より最先端の高度生殖医療に興味をもつようになりました。

女性の生理周期は人それぞれで、いつ起こるか分からない排卵のタイミングを診るには、毎日診療が可能なクリニックのほうが向いているのではないかと考え、父のクリニックで2004年から生殖医療を始めました。

 

―ご施設の治療において、先生が大切に考えていることは?

 当院は、安全・安心な医療を提供することを第一としてきました。生殖医療では、なるべく患者さんの希望に沿った治療ができるようにしたいと考えています。基本的には、患者さんの状況・状態を把握して、必要な治療と不必要な治療を判断して、一人ひとりに合ったベストな治療を選択できるように努めています。

 

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標準治療に全力を注ぎ、先進医療が必要な患者さんは信頼できる施設に紹介

―生殖医療では、どのようなところに力を入れられていますか?

 当院は、医師1名、臨床検査技師2名、生殖医療担当看護師2名、助産師1名の計6名で生殖医療に取り組んでいます。経験を積んだ熟練のスタッフばかりですが、お産もかけもちをしながらのため、年間の採卵数は200回程度と、数はそこまで多くはありません。

胚培養はタイムラプスインキュベーターを用いて行っていますが、基本的には保険診療内の治療を基本として、標準治療をしっかりと提供できるように力を入れています。

中には、着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)などのその他の先進医療を必要とされる方もいますので、そういう場合は、松山市のクリニックさんなどに紹介をさせていただいています。どの先生も信頼できる先生ばかりですので、安心して患者さんをお任せしております。


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半年や1年で治療のステップアップを検討

―患者様の治療にあたる中で、難しさを感じることはありますか?

最終的に妊娠・出産までいけばよいのですが、苦労をされても最終的に結果が出ずに終わってしまうときは、医師としての力不足を感じます。ただ、うまく妊娠・出産までいった場合は、妊婦健診からお産まで立ち会うことができますので、恵まれた環境にいると思っています。生理不順で結婚前から診察をしてきた方が不妊治療をされて、出産してお子さんを抱っこして退院するまで見届けたということもあります。


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―一般不妊治療から体外受精への切り替えは、どのように判断されているのですか?

結果だけを見れば、体外受精などの生殖補助医療(ART)に進んだほうが妊娠率は圧倒的に高くなりますが、ARTにどのあたりで切り替えるかは、常に悩むところです。普通に妊娠できる方は、できるだけ一般不妊治療で妊娠させたいのが本音です。

ただ、治療が長くなると患者さんが疲れてしまい、半年、1年と長期化するとストレスは相当なものになります。そのあたりを目安に、ステップアップをしてARTを開始するかを相談しています。

 

 

保険適用後に初診の患者さんが1.3倍に

―保険診療が始まってから、何か変化はありましたか?

 これまで治療を躊躇されていた20代から30代前半の若い患者さんの割合が増えました。不妊の定義は、正常な夫婦生活がある状態で1年経っても妊娠しない場合と言われていますが、半年や1年未満の患者さんも増えている印象です。不妊治療までいかなくとも、不妊かもしれないということで、不安に思っている患者さんが早めに相談に来られることもあります。初診の患者さんは、保険適用になる前と比較して、1.3倍ぐらいになりました。

 

―早めに受診をすることは、とても大事なことですね。

早期に治療を開始することは大変よいことで、不妊治療全体の成績の向上につながります。しかし、まだ何も検査をしていない段階で、初診のときに「体外受精をやりたい」と希望される患者さんも多くいらっしゃいます。体外受精はたしかに一般不妊治療に比べて妊娠率は高くなりますが、過剰な治療はなるべく減らし、検査を十分に行ってから、ご自身に合った治療を選択することが大切です。

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―県内の患者さんの特徴は?

 不妊治療をされている患者さんは、几帳面でまじめな方が多い印象です。治療計画ができたら、その通りに努力をされますし、この日に診察に来てくださいと言うと、99%の方は約束を守って診察を受けられます。

その反面、結果が出なければ落ち込みますし、ストレスは相当なものだと思います。患者さんが努力をされているのを見て、こちらも頑張らなければいけないと思っています。

 

―患者様へのメッセージをお願いします。

 当院は、新居浜という地域で、妊娠したいと思ったときに、いちばん最初に行くクリニックを目指しています。「妊娠したいけど、妊娠できるか心配」と悩んでいる方は、一人で悩まず、気軽に相談に来てください。生殖医療に関わる医師が私1人のため、忙しそうに見えるかもしれませんが、不妊に限らず、不安なことや分からないことがあれば、遠慮せずになんでも相談いただけると嬉しいです。

 

ー本日は貴重なお話をありがとうございました。