【宮城県】京野アートクリニック仙台 生殖医療専門医インタビューvol.3

· 生殖医療専門医インタビュー

 

宮城県仙台市青葉区にある京野アートクリニック仙台は、患者さん一人一人の身体に合わせたテイラーメイドな治療を行うクリニックです。本日は、院長で日本生殖医学会認定 生殖医療専門医でもある五十嵐秀樹先生に、不妊治療に携わる想いについて伺いました。

五十嵐先生インタビューのStory

1. “人間ほど、妊娠しにくい生物はいない”ことに興味を持ち、卵子の研究を一貫して志している 

2. “漫然と繰り返さない” を徹底、一人一人に最善の治療法を模索し続ける 

3. 新しい治療法や技術は、今後評価が確立し、真に良いもののみが残っていく 

“人間ほど、妊娠しにくい生物はいない”ことに興味を持ち、卵子の研究を一貫して志している 

―先生が生殖医療専門医になったきっかけを教えてください。 

 卵子の研究に取り組みたかったからです。あらゆる生物の中で、人間ほど、妊娠しにくい生物はいません。その点に興味を持ち、体外受精の研究をしたいと考えていました。その背景には、出身大学である山形大学では、積極的に不妊治療の研究を行っていたことも挙げられます。中でも、恩師である廣井正彦先生 (山形大学医学部名誉教授、山形県立保健医療大学名誉教授)、齊藤英和先生 (梅ヶ丘産婦人科ARTセンター長)からは大きな影響を受けました。   

 また、医師になったばかりの頃に、両側卵管を摘出した患者さんの出産に立ち会った経験も大きかったです。一組でも多くの生殖補助医療を必要とするご夫婦、カップルに同じ喜びを感じて欲しい、その思いで生殖医療専門医を志しました。今もそのモチベーションは変わっていません。難治性の不妊症を克服できたときは、私たち医療者側も本当に嬉しく思います。   

―卵子の研究ですか。どのような研究をされているのですか

 25年来、卵子の老化メカニズムの解明、そして若返りの研究を行っています。

ー卵子の若返り、患者としては非常に関心のあるワードです。将来は明るいのでしょうか 

 現時点では、基礎研究のレベルで研究が行われているので、実臨床では、まだまだこれからかもしれないですね。晩婚化・晩産化が進む現代、年齢だけで治療を諦めざるを得ない患者さんを極力減らし、そういった方も妊娠できるよう、取り組んでいければと思います。     

“漫然と繰り返さない” を徹底し、ひとりひとりに最善の治療法を模索し続ける   

―少し話を戻し、先程、難治性の症例のお話をされていらっしゃいましたが、普段、先生はどのような患者さんを多く見ていらっしゃるのですか 

 様々な患者さんを診ています。子宮筋腫、子宮内膜症などの婦人科疾患の合併症がある方、卵巣機能が低下している方もいれば、初めて不妊治療に取り組む方もいらっしゃいます。 そのような患者さんに対し、自然周期法から高刺激法まで、患者さんに合わせたテイラーメイドの治療法を行っています。   

―テイラーメイドの治療法ですか 

 はい、不妊治療に取り組む患者さんは全員、同じではありません。だからこそ、ひとりひとりと向き合い、最適な治療法を探しています。 

 そのため、クリニック内では、”漫然と繰り返さないこと”を徹底しています。治療歴を振り返り、その治療がうまくいったのかそうでないのかを振り返る。うまくいかなかった場合は、どのようにすればうまくいくのかを考えながら、治療法を変更する。このような小さな検証の積み重ねを繰り返すことで、より早く、成果に到達できると考えています。     

―そうなのですね。治療法はどのような考え方の下に決定されているのですか 

 根拠(エビデンス)のある治療を心掛けていますので、信用性の高い論文、ガイドラインなどに基づき決定をすることが多いです。ただ、治療法を変更する際には、理論に沿うだけでなく、経験値に基づく知恵を結集する必要がありますので、院内でカンファレンスを行い、培養士、看護師を含むスタッフと治療方針について議論をしています。   

―院内スタッフの皆さんで主体的に取り組まれているのですね 

 不妊治療を受ける患者さんの負担は大きなものです。また、遠くから通院してくれている患者さんも数多くいらっしゃるので、結果を出すことを常に意識しています。     

新しい治療法や技術は、今後評価が確立し、真に良いもののみが残っていく   

―今現在、不妊治療を取り巻く環境は大きく変化しつつありますね。例えば、保険適用に向けた取組みや、新規の技術、検査などがありますが、先生はこのような新しい取組みをどのように考えていらっしゃいますか 

 そうですね。まず、患者さんにとって、選択肢が増えることはよいことだと考えています。もちろん、新しいものが常によいものという訳ではないですよね。私自身は、よくないものは、エビデンスと共に淘汰され、真によいものが残っていくだろうと考えています。   

 たとえば、保険適用であれば、今まで金銭的に不妊治療を受けにくかった患者さんが、治療を受けられるようになり、選択肢が広がりますよね。一方で、患者さんも自己負担額が同じなのであれば、よりよい治療を受けたいと考えますから、よりよい病院で受診したいと考えるようになり、真によい病院が選ばれるはずです。   

―新しい技術についても、同様のことが起こりそうですね。患者さんから、新しいものを導入したい、と言われた場合、先生はどのように考えていますか 

 良くないものとして評価が確立している場合、使用は勧めません。一方で、まだ評価が定まっていないものについては、患者さんの意向と考慮し、導入することもあります。   

―弊社も、cocoromiという患者さん向けのアプリを作成しています。真によいものとして残れるように、精進してまいります。     

<cocoromi編集部より取材を終えて>

“ 今ある新しい治療について、いずれ評価され最適化されていく” という言葉が印象的で滋賀。エビデンスが医療を支えているという理論的な考え方と、そのエビデンスを応用して、よりよい治療法を見出し、不妊治療を一歩先に推進していく熱意の双方を、一貫して感じるインタビューでした。       

cocoromiは、不妊治療の記録、自分と似た人の治療データの閲覧、患者同士の情報交換ができるアプリです。患者さんが治療を理解して、主体的に取り組むことで後悔のない生き方へ繋がるよう今後もサポートしてまいります(cocoromiについてはこちら)。

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